「勝手に想像しない」という姿勢は、国語はもちろん、討論においても重要です。
討論の基本は、いろんな意見を交わすこと。「異なる意見・立場の人の話を聞いて、自分がどう思ったか」が重要です。
そして国語の問題を解いているときに、「文章を読めた気がしたのに、点が低かった」なんてことはありませんでしたか?
これは、勝手に想像して読んでいたときに起こりがちなことなんです。
思い込み=インプット情報ゼロ
まず大事なのは、勝手に想像しないことです。
「きっと人を見下しているんだろう(だから、そんな意見になるんだろう)」、「そんなことを言うなんて、きっとこういう人間なんだ」、「この意見が出てくるということは、心の底で○○を差別しているに違いない」と勝手に想像してしまっては、意見を交わすことは難しくなります。
相手が一体何を言おうとしているのか、何を伝えたいのか、どういう経緯でそう思ったのか……そういったことは、相手から聞くことによってしかわかりません。
そして「きっと○○に違いない」と勝手に想像してしまえば、自分の想像に沿うような解釈をしてしまいます。
例えば、ある男性が「恋愛に興味はない」と言ったとしましょう。
ここで「本当に恋愛に興味があるくせに、モテないから強がっているだけでは?」、「もしかして、女性に興味がない人?」などと想像してしまった経験がある、という方は意外といるのではないでしょうか。
一度そう思い込んでしまうと、その人がたとえ「今は仕事に集中したい」、「猫がいればそれでいい」と言っていたとしても、「またまた、そんなこと言わなくていいから」と、「この人は、本当は恋愛に興味があるはずだ」という解釈(=思い込み)の元で、相手の発言を受け取るようになってしまいます。
相手の意見が、何も耳に入っていない状態です。
勝手に想像しない
こういう、勝手な想像をしない、言われたことをまずはそのまま受け取るという姿勢が、相手の意見や考えを聞く上で、まず重要です。
想像そのものが全くダメというわけではありませんが、「きっと○○だろう」という思い込みは、討論を難しくする要因の一つです。
勝手に想像しない、まずはそのまま受け取ってみましょう。
(文:深川恵)