使い物にならない人物を育てるヤバい集中
集中しなさい!
遊びが脳を発達させるという事をお話しする前に、学校の先生や塾の先生、そして親が良く言う「集中しなさい!」についてを説明しておきます。
「集中しなさい!」と、貴方もお子さんによく言いませんか。集中することは良いことだと無条件で考えている方も多いと思いますが、これがナカナカ、ヤバいのです。
集中している状態は良いこともあります。しかし、強制してやりすぎると良い結果を招きません。学校の勉強をパターン学習で身につける事とこの強制した集中状態が結びつくと、子どもの未来にとっては害悪しかありません。勉強は出来るかもしれません。点数がとれるかもしれません。しかし社会に一歩出たら使い物にならない人になってしまいます。
例えば、子どもが計算問題に集中しているとします。名前を呼んでも気付かないくらい集中しているとすると、その子の脳は、計算している部分だけが動いていて、他がブラックアウトしている状態です。これが毎日毎日、長時間繰り返されると、学校の勉強で使う部分しか動かない脳になります。参考書や問題集や過去問を繰り返すだけなので、生活の中の他の部分とは全くつながらなくなります。このイラストのような感じです。
パターン学習を繰り返した高学歴
高学歴の人たちの中には、頭の良さで高学歴になった人と、パターン学習を繰り返して試験を突破してきた人たちがいます。パターン学習を繰り返して高学歴になった人たちの勉強というのは凄まじいもので、遊びの時間は勿論のこと、睡眠時間や食事の時間を削ってまで、入試の過去問を網羅していきます。こういう人は試験の本番で問題を見ると、考えるよりも先に、過去に自分が解いた問題のパターン検索が脳内で始まります。そして過去のパターンに無い場合は思考停止となります。
これは過去に私が雇った高学歴の先生達の特徴です。過去に体験したパターンの物は嬉々として生徒に教えてくれるのですが、初めてのパターンのものには思考停止します。
勉強以外にも同じことが起こります。子ども同士が喧嘩したとか、何かの拍子に怪我をしてしまった等、自分が体験したパターン以外の物には、思考停止でお手上げになるのです。つまり使い物にならないのです。
医者にもいる
表には出ませんが、医者の中にもこういった類の人がいます。頭の良さを活かして医者になった人と、パターン学習を繰り返して試験を突破した人と。後者の場合、どんな医者になるのか、貴方の想像力を駆使して考えてみてください。どんな恐ろしい事が私たちの体の上におこるかを。
学校の勉強とは、今、私たち大人が子どもにさせようとしている勉強とは、こういった怖い一面を持っています。子どもが勉強好きで、どんどん勉強すると喜んでいる親御さんがいるとしたら、ちょっと考えなくてはいけませんよ。
では、良い集中とはどういうことか。それは遊びと関係しています。集中状態も良いのです。しかし、学校の勉強と結びついて、やりすぎるとダメなのです。