やっぱり親が一番!
我が子の教育は自分の手で
30年以上前から、子どもの学力低下の問題は頻繁に話題になっていますが、ここ数年、特に顕著な下降傾向が続いていると感じています。
全国のお母さんお父さんから相談をいただく中で感じていることなのですが、おそらくはご相談いただいたご家庭だけの問題ではなく、日本全体に言えることなのだと思うのです。
この問題について、大人達はしっかりと考えなければなりません。教育は国造りの根幹だからです。
私が考えるこの問題の原因を以下いくつか挙げてみます。
実体験が乏しい
最も大きな原因は社会が急速に変化したことで、子どもたちの実体験の機会が奪われているからだと考えています。子どもは実体験ベースでしか学べないのに、授業が紙の上での説明だけになっているせいでしょう。
そのため算数などの基本的な概念が不足しており、数を一つのまとまりとして捉えることが難しい状況です。掛け算の九九は覚えていても、その意味を理解していない等、プリント学習やドリルなどは紙の上での作業になってしまっていることが多く意味を理解しないまま答えを出しているので、それが数学の困難さにつながっています。
- 実際に九九を使って物を数える
- 物差しやハサミを使って家で何かを作って遊ぶ
- 学校で習ったことを実生活に役立ててみる
算数の基本的概念が不足している子ども達はこれらの経験が少ないことが共通しています。
また語彙が少なく文章の理解が遅い子は、おうちで本を読んだり映画をみたりする経験が少ないです。
以前は、小銭を数える機会が多かったので、自然と数の概念は身についていました。消費税もなかったので、皆、暗算で買い物の計算やおつりの計算が出来ていました。
また雑誌の付録は紙工作が多かったので、自然と立体の展開図は身についていました。
マッチをつかったり、包丁やハサミ、鋸をつかったりする少し危険を伴う行動も自然と行っていたので、注意力も身についていました。
今は、親が意識して子どもにこういった経験をさせなければならない時代になったのです。
自然に身についていた算数や国語の概念は、世の中が便利になりすぎて、自然には身につかなくなったのです。
これが学力低下の一番の原因だと私は考えます。
次に大きな原因となるものは、大人が子どもの能力と好奇心を甘く見ていることだと思います。
子どもは、信頼して任せると、実にいろいろな事をやってくれます。料理や掃除などから、自然に割合や比、速さや関数の概念を学んでいきます。これに親のちょっとした言葉をプラスすると、算数の知識を日常に使えるようになり理解が深まります。
この春私の自宅に滞在し、学んでくれた子ども達は、不登校で数年間学校に行かない日が多く算数が解らなくなっていました。足し算引き算もおぼつかない状況でした。
しかし私と一緒に生活することで、分数の約分、通分まで出来るようになり、速さ、割合、比、関数などの数学的概念を掴んで、家に帰ることができました。
この間、たった二カ月です。
親は日常生活の中で、子供たちに数学的な概念を意識的に教える必要があります。
一緒に本を読んだり映画を見たりして語彙を増やし、ともに遊んで感覚と感情が動く体験をしなければなりません。
そうした体験が我が子の学力低下を防いでくれます。それどころか、とっても賢い子に育ってくれます。
学びを学校任せにせず、我が子の教育は自分の手で握ってください。