意味段落を意識せよ!
先日の記事では、現代文の問題パターンを紹介しました。
その中でしれっと「意味段落」という言葉を使いました。皆さんは現代文の問題を解くとき、意味段落を意識しながら読んでいますか?
これからお伝えする内容は、選択肢問題・記述問題に限らず重要になります。
この記事を読んで、次に解くときはぜひ意味段落を意識してみてください。
段落は「形式段落」と「意味段落」の2種類!
段落には大きく分けて2種類あります。
1.形式段落:段落そのもの。1マス(1文字)分下げてから書き始めている文章のまとまりのこと。
2.意味段落:いくつかの形式段落を内容・意味のつながりでひとまとめにしたもののこと。
例えばこんな文章があったとします。
①ゴリラの生態について
②たぬきの生態について
③ゴリラが登場する物語について
④たぬきが登場する物語について
⑤ゴリラと人間の共通点について
形式段落は5つ、意味段落は3つ(①②/③④/⑤)になります。
①と②は、ゴリラとたぬき別々の動物を紹介していますが、生態の話なのでひとつにまとめることができます。
③と④はゴリラとたぬきが登場する物語の話としてひとつにまとめられます。
⑤は①~④どれとも異なる話なので、⑤は単独の意味段落とします。
意味段落とはこのように、各形式段落を内容・意味の繋がりによってひとまとめにすることを言うのです。
「この段落では一体どんな内容が書かれているのか?」「各段落はどういう関係にあるのか? 否定? 具体例を用いた主張の補強?」など、こういったことを意識しながら読むこと…これが国語の問題を解く上でとても重要なのです。
【重要ポイントその1】後から読み返しやすい!
特に入試においては、長く難しい文章を制限時間のある中で読んでいかなければいけません。
そんなとき「あれ、読んだ気はするけど、どこに書いてあったっけ?」と焦ってしまえば一大事です。
各形式段落にどんな内容が書かれていて、それぞれがどういう関係性にあるのかを意識しながら読む練習を続けていれば、次第に「確かこの辺りに書いてあったな」と冷静に読み返すことができるようになります。
【重要ポイントその2】解答範囲を考えられる!
選択肢問題・記述問題に限らず、設問で問われている内容に過不足なく答えるためには、各段落のどこが解答範囲にあたるかを考える必要があります。
例えば先の例文で、ゴリラの生態のことを問う設問があった場合の解答範囲は①です。
同じ生態の話だからといって②のたぬきの内容や、同じゴリラな話だからといって③の内容を抜き出したり、その内容が書かれた選択肢を選んだりしてはいけません。
では、ゴリラ全体のことを問う設問があった場合はどうでしょうか。
ゴリラのことが書かれた段落①、③はもちろん、⑤でもゴリラのことが言及されているので⑤も解答範囲になりますね。
このように、意味段落を捉えることは現代文の問題を解く上で非常に重要なのです。
意味段落を捉えられるようになるために何をすればいい?
まずは形式段落毎に、その段落の内容を確認!
各形式段落の内容を確認したら、それらを意味段落で分けよう!
例えば先の例であれば、「ゴリラ 生態」、「たぬき 生態」、「ゴリラと人間」といった形で問題ありません。
本文を読む際に形式段落を1つ読み終わる度に、どんな内容だったかを簡単にメモしましょう。
それが終わったら、意味段落(内容・意味が同じ段落)で分けていく練習をしましょう。
この練習を続けていくうちに、「この段落は、前段落を具体例で補足説明しているな」「反対意見を持ち出すことで主張の正当性を強調しようとしているな」といった文章の構成や内容を理解できるようになります。
まとめ
意味段落を捉えることは、読み返したり、解答の範囲を考えたりする上でとても重要!
まずは形式段落毎に内容を確認し、意味段落で分ける練習をしよう!