文脈を読み取るのが重要なのはわかったけど、
じゃあどうやって読み取ればいいの?
今回は、文脈を読みとる方法についてお話します。
文脈を読み取る方法その① 文と文、言葉と言葉をつなぐ言葉を意識する
文脈とは一連の情報(言葉や表現、イラストなど)のつながりのことでした。
注目すべきは文と文、言葉と言葉をつなぐ言葉です。
例えば、以下の文章を読んでみましょう。
何が書かれているのかが、なんとなくはわかっても完全にはわからないのではないでしょうか。
この文章に、文と文をつなぐ効果をもつ言葉や指示語を付け加えてみましょう。
先ほどよりもわかりやすくなったのではないでしょうか。
文と文をつなぐ効果をもつ言葉(接続詞や助詞など)を読み飛ばしたり指示語の指し示す対象の分析をしなかったりした場合、文脈を読み取ることが難しくなります。
これを意識しながら文章を読むことが文脈を掴む上で重要なのです。
文脈を読み取る方法その② 主語・述語などを意識してみる
日常会話でも、主語や述語などが省略されることで混乱することがありますよね。古文においても頻繁に主語が省略されます。
例えば『枕草子』の「中納言参りたまひて」の文章。
中納言(=藤原隆家)が中宮定子のもとに参上し、扇をプレゼントしようとするとき、隆家が「素晴らしい扇の骨を手に入れております。それに紙を張らせて中宮様に差し上げようと思うのですが、ありふれた紙を張ることはできないので、ふさわしい紙を探しているのです」と中宮定子に話したときの話です。
主語を見極めることなく読んでしまうと、どれが誰の発言かがわからなくて混乱しますね。
あえて現代語で(それもくだけた口調で)、主語や述語の無い文章にするとしたら以下のような形になるでしょう。
何が何やらですね。
今回は主語や述語を意識することの重要性についての話なので、主語転換の目安や敬語を使った主語判定の話は省略しますが…。
先ほどの文章を主語や目的語を補った上でざっくりと現代語訳すると、以下のようになります。
省略されていた主語や目的語を補ったことで、より読みやすくなったのではないでしょうか。
これをもとに現代語で(それもくだけた口調で)言い換えてみます。
Eの文章よりはわかりやすくなったのではないでしょうか。
ここでは古文をベースに説明しましたが、主語や述語、目的語が何なのかを意識しながら読むことによって、文と文のつながりを理解しやすくなるのです。
文脈を読み取る方法その③ さまざまな知識を身につける
文脈は、狭い意味でいうと「一連の情報(言葉や表現、イラストなど)のつながり」を指します。
広い意味で言うと「状況や背景を理解した上で、一連の情報の意味を読み取ること」を指します。
これは広い意味の方のお話です。
例えば1950年頃が舞台の小説で、メロンが大好物だというキャラクターがいたとします。
このキャラクターをより深く理解できる文脈=時代背景が「当時メロンは高級品」であることなのです。
高級品を大好物と言うほど日頃からメロンを食べられる=そのキャラクターがお金持ちであることがわかります。
このように、メロンが好物という描写と、当時のメロンの価値という背景知識でお金持ちだというキャラクター性を掴むことが可能になります。
文脈は前後の流れを読み取るだけでなく、その言葉や表現、イラストなどがどのような状況・背景のもとで書かれたものなのかを掴むことにより、それらの意味を読み取ることをも指すのです。
(ちなみに、どんな知識が文脈理解に役立つかどうかはわかりません。)
まとめ
文と文、言葉と言葉をつなぐ言葉=接続詞や助詞、指示語を意識しよう!
主語や述語、目的語などを意識しよう!
さまざまな知識を身につけよう!