早期教育の弊害
「早くできる」より「育つ順番」が大事
これは、かつて実際に起こった本当の話です。
「うちの子、もう時計の問題が解けるんです!」
小学校入学前から熱心にプリント学習に取り組んできたAくんは、入学早々「できる子」として注目を集めていました。保護者の方も先生も「賢いね」「すごいね」と口をそろえ、周囲からは期待の目が向けられていました。
けれど、Aくんが六年生になると状況はすっかり変わってしまっていました。
クラスメイトにどんどん成績を追い抜かれ、Aくんは勉強が嫌いになってしまったのです。
実は、こうした話は珍しくありません。
「できる=伸びる」ではない
Aくんはたしかに、小さいころから“解ける”子でした。
けれどそれは、「学習内容を早く覚えた」というだけ。
言い換えれば、未熟な脳に無理やり“先取り”させたにすぎません。
人間の脳は、生まれたときから少しずつ、段階を踏んで発育していきます。
まず①体の感覚や動きに関わる部分が育ち、
それから②感情や社会性をコントロールする部分が育ちます。
そして最後に③論理的思考や抽象的な理解を担う部分が育っていきます。
つまり、「考える力」「学び続ける力」を本当に育てたいなら、この脳の発達の“順番”を無視してはいけないのです。
早期教育は、①と②の成長を無視して、いきなり③を育てようとするものと言っても過言ではありません。
小さい頃に「できる」からといって、大きくなってからも成績が「伸びる」わけではないのです。
小さい頃に大切なのは、「覚えること」より「感じること」
Aくんのように、早くから机に向かって文字や数を覚えさせると、一時的には「できる」ようになります。
でも、その時期に本来育てるべき“体を使った遊び”や“感情のやりとり”をおろそかにすると、将来的に理解力やコミュニケーション力に伸び悩んでしまいます。
そして、まわりの子どもたちが脳の成熟とともに自然と力を伸ばし始めたとき、どんどん追い抜かれてしまいます。
そして自分だけが伸びない感覚に陥り、「自分はダメなんだ」と自己否定につながるケースも少なくありません。
教育は“未来の土台づくり”
広学では、「早くできること」よりも「将来伸びるための準備ができているか?」を大切にしています。
勉強の合間に遊んだり、さまざまな年齢の子達とコミュニケーションをとったり、自然に触れたり、体を動かしたり。
そういった時間やイベントを提供しているのは、“未来の土台作り”のためなのです。
早く計算ができることよりも、早く資格をとることよりも、「なぜ?」「どうして?」と問いを持てる力の方が、長い目で見れば確実に子どもを支えるからです。
おわりに
教育に「早すぎて良すぎる」ものはありません。
脳には育つ順番があり、その順番を無視した“先取り”は、かえって子どもの未来の芽を摘んでしまうことがあります。
「今すぐできる」に一喜一憂するのではなく、「この子の未来のために、今どんな経験が必要か?」という視点を、私たち大人が持ち続けたいですね。
広学では、脳科学の視点を取り入れながら、子ども一人ひとりの発達段階に応じた声かけ・関わり・学びの場づくりを行っています。
お子さんの未来の“本物の学力”を、一緒に育てていきましょう。
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