歴史や文化を学ぼう!
お寺の修行(掃除)から学びが始まりました
合宿レポート②は二日目・三日目の学びパートについて。
私達広学は、ガリガリ机に向かって勉強することよりも、自分の興味関心を軸に、実際に見たり触れたりして学びを深めることを大切にしています。
事前学習では、訪れる場所の歴史や建築物・仏像などを調べ、浮かんだ疑問を深掘りしました。
何も知らずにただ眺めるよりも、あらかじめ知識や情報を持っていた方が、より深く知ることができるのです。

学びパートの始まりは、お寺の修行(掃除)から!
江戸時代から大切に守られてきたお寺。その本堂の廊下の掃除の仕方を教えていただきました。
「年季が入っているから、昨日行事の為に掃除をしたけれど、それでも廊下が汚れるからね」という言葉の通り、同じ場所を何度も何度も拭いても雑巾が汚れるので、子ども達も驚いていました。

廊下にいらっしゃる賓頭盧さんのお話を聞いたり、行事に来られた方々と挨拶をし「頑張っているね」と声をかけていただいたり…。
「いかに丁寧に磨けるか競争しようぜ!」
「すっごく綺麗になったら達成感があるな」
「綺麗になったら気持ちがいいね」
一時間しっかり磨き上げ、お寺を維持することの大変さや力の入れ方を工夫する方法を学びました。

元興寺:善い鬼の物語の起源
最初の学びポイントは、善い鬼の物語のもとになった元興寺!
元興寺では、お寺の方からたくさんのことを教えていただきました!
子ども達の中で、特に印象に残った事や学んだ事:
- 元興寺の小五重塔は1400年前に作られたものが現存していて、仏舎利を納めるために建てられたもの
- 五重塔は、それぞれの階層が「地・水・火・風・空」を表しており、この世とあの世を繋ぐパイプであること
- 弘法大師像は東京での国宝展で目立つ位置に配置されていた
- 神の使いである白い鹿を、弘法大師が影向間(ようごうのま)で拝んでいる絵が現存していて、それが「元興寺は弘法大師が修業をした場所ではないか」と言われている
(影向間は、お正月に唯一しめ縄が飾られる場所でもあり、滅多に解放される場所でもないとか!)
などなど…。
「ここから見てごらん、あることに気付くかな?」と、子ども達を巻き込んで実物を見せながら教えてくださいました。
境内にいる5つの鬼の像を探したり、1400年前から残っている瓦を見たりと大興奮でした。
「現代の瓦は滑らかに並んでいるけれど、行基葺きの瓦は段々になるよう重なって並んでいるところが違う」
「調査のときに使われてる薬品のこと、もっと知りたかった」
「今日のまとめで喋る事、いっぱいある!」
事前学習ノートに、学んだ事をたくさん書き込みました。

興福寺:阿修羅像や世界一高い五重塔が現存
第二のポイントは、たくさんの国宝が安置されている興福寺!

「阿修羅像が思ってたよりも小さかった」
「千手観音像は阿修羅像よりも手も頭も多くて…どうしてあんなに顔や手が多いんだろう…」
「金がギラギラに輝いていると、東アジアっぽいな~って感じるなあ」
子ども達の中で、特に印象に残った事や学んだ事:
- 阿修羅像を始めとした八部衆は脱活乾漆造りという技法が用いられ、金剛力士像は寄木造りという技法が用いられていること
- 鎌倉時代に作られた筋骨隆々な仏像は、圧倒的な肉体美で力の強さを表現していること(各時代の美的感覚の表れ)
- 金剛力士像は阿形と吽形のセットになっていて、全ての始まりと終わりを表していること
- 薬師如来の手には薬壺があり、あらゆる病気を治せること
- 手水の作法
などなど…。
単に仏像を見るだけでなく、仏像を見たときに感じた事をベースに、作り方や時代にも注目することで、
その技術の素晴らしさを知ることができます。
春日大社:藤原氏の氏神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)と神の使い・鹿がいる場所
第三のポイントは、たくさんの鹿がいる春日大社!

2000~3000もの石燈籠や本堂の燈籠に、さまざまな会社名や名前が書かれていると気が付いた子ども達。
「それだけ多くの人達に信仰されてるってことか」と納得していた様子。
事前に調べていたことも、実際に目の当たりすることで より理解が深まります。
「釣燈籠がすごくキレイだった、鬼滅の刃の無限城みたい」
「藤原氏の家紋が書かれてる!藤原氏の様が祀られてるって本当だったんだ!」
子ども達の中で、特に印象に残った事や学んだ事:
- 燈籠にはたくさんの会社や人の名前が書かれていて、たくさんの信仰を集めていること
- 鹿は神の使いと言われる理由の一つに「塩のある場所を人間に教えた」という話があること
などなど…。
武甕槌命様が白い鹿に乗って奈良まで来られたという伝承をもとにした白い鹿のおみくじを引いて、皆大喜び。
さらに結婚式も行われていて、縁起の良い一日でした。
東大寺:世界最大級の大仏様
第四のポイントは、世界最大級の大仏様を拝める東大寺!

社会の授業で必ず学ぶ、奈良と言えばなスポット・東大寺。
興福寺の国宝館で見た金剛力士像の大きさとの違いに、「先に興福寺で見ていて良かった!こんなに大きさが違うんだ!と大興奮。
大仏殿では音声ガイドを聴きながら、各々のペースで大仏様を拝んだり、虚空蔵菩薩・如意輪観音・広目天・多聞天のことを学んだりしました。
子ども達の中で、特に印象に残った事や学んだ事:
- 大仏様の頭が、地震によって二度落ちてしまったこと
- 大仏殿に向かうまでの石畳は、インドから日本へ仏教が伝わるまでの道のりを表現していること(真ん中の黒っぽい石がインド産)
- 四天王のお一方・広目天様は唯一武具を持たず、筆と巻物を持っていること
- 四天王のお一方・多聞天様は別名が毘沙門天であること
- 大仏殿の出口付近には神通力で人を救った賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)がおられ、撫でると除病の功徳があると言われること
などなど…。
「これからも大きな地震が起こったら、大仏様が壊れてしまう可能性があるってこと?」
「あんなに大きなものを、どうやって修復したんだろう」
知的好奇心が刺激され、たくさん疑問がわいたようです。
ならまち:くくり猿が飾られた美しい街並み
第五のポイントは、庚申信仰の残るならまち!

ならまちには、たくさんのくくり猿が飾られています。
人の体内には「三尸(さんし)」という三匹の虫がいて、庚申の日になると体の中から抜け出して地獄の閻魔様に宿り主の悪行を報告する…というお話があり、
この虫が体から抜け出せないように、もしくは猿が虫を食べて退治してくれるという信仰から、くくり猿が象徴として祀られるようになりました。
「家内安全とか交通安全とかって書いてある!御守りなんだ!」
子ども達の中で、特に印象に残った事や学んだ事:
- “うだつ”という関西発祥の日本設備に見られる防火設備があること
- くくり猿には「家内安全」や「交通安全」などが書かれていること
- 十干十二支の考え方がベースにあり、「60」は10と12の最小公倍数であること(還暦の由来)
- 十干の「甲・乙・丙」は漫画や飛行機などの名前にも使われていること
などなど…。
楽しい驚きや閃きが学びを深めます!
大切なのは大人が子どもを巻き込んで遊ぶこと!
元興寺の方のお話しをとても楽しそうに聞いて理解を深める子ども達を見て、やはり大人が子どもを巻き込んで楽しむことがとても大切だと改めて実感しました。
(印象に残った事についての発表では、元興寺の話題が一番多いのです!)
お寺の興味深いポイントをただ教えるだけではありませんでした。
「ほら、ここからあそこを見てごらん」
「ここをよく見て観察してごらん。何て書いてある? おもしろいでしょう!」
こんな風に、大人自身がワクワクしながら、楽しさやおもしろさを共有してくださっていたのです。
子ども達を巻き込んで一緒に楽しむ姿を見せることが、子ども達の知的好奇心をとっても刺激します。
私達が大切にしていること
この合宿は、ガリガリ勉強させません。
知的好奇心をくすぐることで、自分で考え、気づき、調べ、言葉にする力を育てます。



















