書いてあることをそのまま受け取る訓練をしよう!
「国語なんて、普段しゃべってるから勉強する必要なんてないよ」と思っていませんか?
なぜ国語を勉強するのでしょうか。
国語を勉強する目的の一つが、「書いてあることを、そのまま受け取る」ための訓練、私は考えています。
書いてあることをそのまま受け取ることができれば、コミュニケーションがスムーズになります。
よく、発達障害に関連する話題で、その特徴の一つとして「言葉を表面的にしか受け取れない」というものがありますが、これが悪いことのようには、到底思えません。
むしろインターネット上にさまざまな、そして感情的な文章があふれている今こそ、「書いてあることをそのまま受け取る」という作業が、重要であるとさえ思います。
「書いてあることを、そのまま受け取る」ことができれば、どうしてコミュニケーションがスムーズになるのでしょうか?
「事実」「筆者の意見」「自分の考え」
事実と筆者の意見、そして自分がその文章を読んで考えたこと、感じたことを言語化する第一歩になるからです。
そしてコミュニケーションとは、自分の意図を相手に伝え、相手が理解することによって成立するものです。
相手の意図を丁寧にくみ取ることによって、ようやく成立するものです。
「察する」ことではありません。
書いていないことは想像しない。
例えば……「犬ってかわいいよね」と誰かが言ったとします。これに対して「猫はかわいくないって言うのか!」なんて返したら、おかしいですよね。ですが、国語でよくある「読めてた気がしたのに不正解だった!」は、これが原因であることもあります。「きっと筆者は猫はかわいくないと思っているんだろう」という思い込みがあるせいで、「筆者は猫よりも犬の方がかわいいと思っている。」という選択肢に引っかかったりするんです。
こういう、「書いていないことを想像して、『きっとこの人はこう思っているに違いない』と、勘違いしたまま読み進める」というのは、コミュニケーションがうまくいかない原因のひとつです。
コミュニケーションを円滑にするためにも、相手の意図を丁寧にくみ取り、そして自分の意図を相手にくみ取ってもらうためにも、まずは「書いてあることを、そのまま受け取る」という練習が必要なのではないでしょうか。
その練習をできるのが、国語の問題です。
まずは「出題者が何を聞きたいのか?」をくみ取りましょう。
「自分はいったい、何を求められているのか」を、書いてあることをそのまま受け取ることによってくみ取るところから、国語の成績の向上は始まります。
一生涯において必要な力が、国語力です。
大人の皆さんも、学生の皆さんも、広学で一緒に練習しましょう!
文:深川恵