筆者の気持ちは問われていない。あなたの意見も聞かれていない。
国語が苦手な人の常套句といえば、「筆者の気持ちなんてわかんないよ」だと思います。
ですが、国語は筆者の気持ちを理解する必要はありません。筆者の気持ちを理解できる人にしか解けない問題は、問題として成立しません。
まず大前提として、「この文章の中には、何が書かれていましたか」ということを問うのが国語の問題です。
「筆者の気持ちを問うことはない」ですし、また「あなたの意見を聞いているわけでもない」のです。
どう読めばいいのか?
「何が書かれていたか」を理解するためには、文法規則やディスコースマーカーに従って、まずは問題文に線を引きながら読むことが一番の近道です。
※ディスコースマーカーとは、文章の内容を理解するために役立つ接続詞とか指示語のことです。
(ここでは省略しますが、塾ではまず線を引くべき単語を教えています。この単語に線を引きながら読み、線を引いたところを足掛かりにしながら問題を解く。これさえ繰り返せば、国語の点は伸びるんです。)
ですが、問題文に線を引くときに「自分が重要だと思ったところ」に線を引く子がいます。
要注意です。
国語の大前提は「この文章の中には、何が書かれていたのか」であって、「あなたの意見を聞いているわけではない」でしたね。
自分が重要だと思ったところに線を引くということは、まだ「筆者はきっとこう思っているだろう」という思い込みから抜け出せていない証拠です。
あなたにとっての重要は、相手にとっての重要ではない。
喧嘩や討論をしているときに、「そんなこと言ってないのに!」と思った経験はありませんか?
(仮にあなたと喧嘩や討論をした人をAさんとします。)
これは「自分の言いたいこと、重要だと思っていること」をAさんがくみ取れず、「Aさんにとって重要だと思ったこと」を中心に会話が行われているから……というのも原因のひとつです(もちろん、原因がこれだけだとは言えません)。
そしてこれは国語の問題においてもそうです。
問題文に書いていることではなく、「自分が重要だと思ったこと」を中心に問題を解いているので、解説を読んでも納得できないんですね。
まずは文法規則やディスコースマーカーに従って文章を読みましょう。
そうすることが、国語の成績アップ、ひいては読解力の向上にもつながります。
文:深川 恵