偏差値が下がった=学力が低下したではない!
大学受験において、誰もが一度は見かける「偏差値」。
特に入試直前の模試で思わしくない結果になってしまったとき、「偏差値が下がった、どうしよう、だめかもしれない」「志望校のレベルを下げた方がいいのか…」と不安になる生徒さんや保護者の方々は多いのです。
ですが、偏差値が下がったからといって学力が低下したわけではありません。
偏差値とは一体何なのか、どう向き合えばよいのか。そのお話をします。
そもそも偏差値ってなに?
偏差値とは、「同じ模試・テストを受けた母集団の中における自分の学力の位置」を表す数値です。
同じ模試・テストの平均点をとった人の偏差値が50になるように変換され、平均点との差によって自分の偏差値が決まります。
同じ模試・テストでも、東大・京大などの難関校向けの受験生を対象にしたものと、大学受験を検討していない人も含む全国の高校生を対象にしたものとでは、「偏差値50」と一言で言っても全く別物です。
つまり模試・テストを受けた母集団と比較したときの自分の今の学力を相対的に確認するための数値が偏差値なのです。
なので、偏差値が下がったからと言って学力が下がったと判断するのは早計です。
偏差値を目標・基準にしない
普段の勉強においては偏差値を気にしたり目標にしたりする必要はありません。偏差値はあくまでも相対的なものです。自分にどれだけ実力がついていたとしても、他の受験生も同じように実力をつけていた場合、偏差値が下がってしまうこともあり得るのです。
せっかく志望校に合格できるほどの実力を身につけていても、偏差値の結果を鑑みて志望校のレベルを下げてしまう受験生は少なくありません。
偏差値を目標・基準にしてしまうと、自分の可能性を狭めてしまいかねないのです。
また、模試は志望する大学の問題形式に合わせた設問が出されるわけではありません。
たとえ模試の結果が良く志望校の偏差値を超えていたとしても、志望校の入試問題対策…例えば「120字で要約」、「英文を読んだ上で自分の意見を英語で」などの対策を行っていなかった場合、合格可能性は下がってしまいます。
偏差値との向き合い方
大切なのは偏差値が変動した原因を知ることです。
偏差値が上がっても下がっても、「なぜ偏差値が上がった/下がったのか?」を分析しましょう。
分析する上で重要なのは、模試までの間に自分がどんな勉強をしたかを記録・把握しておくことなのです。
自分がこれまでにしてきた勉強の内容を記録していれば、例えば以下のように分析することができます。
英単語・熟語や文法の暗記を重点的に行った結果全体の点数が上がった!/暗記ばかりやりすぎて点数が下がった…読解問題の勉強を疎かにしていたからかも…。
数学の基礎問題の勉強を重点的にしたお陰で演習問題の点数も上がった!/でも前回点の高かった単元が今回は点数が下がってた…バランスが偏ってたのかも…。
現代文読解のテクニックを意識したら点数が上がった!/前回はすごく点が良かったのに今回は全然ダメ…問題との相性が良かっただけなのかも…。
このように、模試の結果と勉強記録をもとに自分の得意・不得意や偏差値が変動した理由を分析し、勉強に活かしましょう。
まとめ
偏差値は「同じ模試・テストを受けた母集団の中における自分の学力の位置」を表す数値。
大切なのは偏差値が変動した理由を知ること。
自分の勉強内容を記録しよう! そしてそれをもとに偏差値が変動した理由を分析しよう!