塾長の笑って天才ブログ

【小中学生】学力低下の原因とは

ブログ記事のタイトルが書かれています。 小中学生学力テスト 学力低下の原因とは?

こんにちは、塾長です。

日本の子どもたちの学力が低下し続けています。
思考力を高めるためにセンター試験から共通テストへと移行したのが2021年
文科省の思惑とは反対に思考力が下がり続けるのは何故なのかー

学力テストの結果とICT教育の課題

今年の全国学力テストの結果が公表されました。

このテストは、小学6年生と中学3年生、約187万人を対象に実施され、7月14日に「国語」「算数・数学」「理科」の結果が発表されました。

教科別の平均正答率は以下の通りです:

  • 小学校:国語 67%、算数 58.2%、理科 57.3%
  • 中学校:国語 54.6%、数学 48.8%

出題内容や難易度は毎年異なるため単純な比較はできませんが、今回はすべての教科で前回を下回る結果となりました。

特に、小学校の算数における記述式の文章題(分数の意味を説明する問題)では、正答率が23.3%にとどまり、無回答率も15.6%に上りました。

(参考:NHK NEWS WEB

こうしたデータから、日本の子どもたちの学力が年々低下していることが懸念されます。

なぜ学力が下がっているのか?

私は、その主な要因のひとつが「ICT教育の早期導入」にあると考えています。

ICT教育の導入自体を否定するつもりはありませんが、特に小学生の段階での導入には注意が必要です。なぜなら、子どもは自分が実際に体験したことしか本当に理解できないからです。

これは、私が小学校に勤務していた頃、先生方から何度も教わったことでもあります。先生方は、教科書や問題集の説明だけでは、子どもが内容を深く理解できないことをよく理解されていました。

私自身、28年間の教育現場での経験から、子どもたちは「紙の上の情報」と「現実の体験」を明確に区別して学んでいることに気づきました。年齢が小さいほど、その区別はより厳密です。

たとえば、時計の学習で「2時10分の10分後は何時か」といった問題が出されても、紙に描かれた絵の時計は動かないと感じてしまい、問題の意味自体を理解できない子もいます。これは知能の問題ではなく、「絵は動かないものだ」という子どもなりの現実認識によるものです。

つまり、子どもには「具体物」と「実体験」による学びが不可欠なのです。

タブレット教育の限界

最近ではタブレット端末による学習が進んでいますが、これがさらに理解を難しくしている可能性があります。なぜなら、タブレットでは「場所記憶」が働きにくいからです。

紙の教科書であれば、「あの説明はたしかこの辺のページだった」と記憶をたどることができますが、画面上の情報はページ位置の感覚を持ちにくく、内容が頭に残りにくくなります。

その結果、「学習したことを思い出す手がかり」が減り、理解や定着につながりにくくなっているのです。

分数問題は「実体験」がカギ

NHKの記事にもあったように、分数に関する正答率の低さは、まさに「実体験不足」を示しています。

たとえば、兄弟や友人とおやつを分け合った経験があれば、

  • 4人で分けるときと3人で分けるときで、1人分の量が違う
  • 同じ「3分の1」でも、元の量によって実際の大きさが変わる

といった感覚が自然と身につきます。ところが、こうした経験がないと、単なる数字の操作としてしか分数を理解できず、実感を持てないまま終わってしまうのです。

現在は一人っ子家庭も多いため、家庭でも意図的にこうした分け合いの経験を与える必要があると感じます。

フィンランドの事例に学ぶ

一時期、フィンランドの教育は世界的に高く評価されましたが、2000年代に学力のピークを迎えたあと、2010年代にICT教育を大規模に導入。2020年代には学力が急激に低下し、数学の国際順位はかつての1位から20位、読解力は14位まで後退しました。

特に、数学で「最低水準」にとどまる生徒の割合は、2000年初頭の7%から最新では25%へと約4倍に増加しています。

(参考:https://note.com/maedamanabilabo

こうした国際的な事例がありながら、日本の教育行政がICT教育を小学生にまで広げる判断をしたことに、疑問を感じざるを得ません。

発達障害の“ラベリング”と教育現場の危機

学力が伸び悩む子どもたちに対して、十分な支援や指導を行わずに「発達障害」や「グレーゾーン」といったラベルを安易に使う傾向も見られます。

しかし、人間には「暗示感受性」という心理的特徴があり、権威ある人からの言葉に従いやすい性質があります。つまり、「あなたは発達障害かもしれません」と言われることで、その子が本当にそうであるかのような行動を取り始めてしまうことすらあるのです。

こうした“ラベリング”が、新たな発達障害の増加を招いている可能性もあります。

デジタル機器と脳発達への悪影響

さらに、デジタル機器の使用による脳への悪影響も深刻です。

仙台市で行われた川島隆太氏の研究によると、中学生が自宅でスマートフォンを1日3時間以上使用していると、この3年間で本来発達すべき脳の部位に発達の兆候が見られなかったという衝撃的な結果が出ています。

おわりに

子どもの教育にとって、「実体験」と「具体物」は欠かせない要素です。デジタル技術を取り入れることは重要ですが、年齢や発達段階に応じた導入のタイミングと方法を慎重に考える必要があります。
お家での学習は学校任せにしないで、お手伝いや昔ながらの遊びを通していろいろなことを教えてあげてください。
オセロや将棋などは特に頭が良くなります。

学力低下の責任を子どもに押しつける前に、大人たちが教育の在り方をもう一度見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
勉強ばかりじゃ何も学べませんよ。

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