登場人物の気持ちがわからない!
小説の問題で主に問われるのは登場人物の心情です。
「登場人物の心情やその理由なんて、はっきり書かれてないとわからないんじゃないの?」
「心情は自由に読み取っていいはずじゃないの?」
小説問題を苦手とする人は、こんなふうに考えているのではないでしょうか。
実は、ある3つのことを意識するだけで、小説の問題で安定して点数をとれるようになるのです。
今回は、小説問題を解く際に意識すべきポイントについてのお話です。
1.主人公・その他の登場人物の人物像や関係性を捉える
特に小説を読む場合に最も大切なのは、主人公がどのような人物であるか(だれか、ではないので注意)を掴むことです。
「彼は臆病な人間であった。」というような内面を表す表現。
「彼は常に背中を丸め、人の顔色を窺っていた。」というような、日頃の様子について述べた表現。
年齢や見た目、身分などの外面の表現。
「クラスメイトに話しかけられた時、彼は大げさに驚いて大声を上げた。」というような、登場人物の一つ一つの発言や行動。
他にも、
「彼は彼女が苦手だった。」というような、相手に対する感情を直接語った言葉。
「彼は彼女に声をかけたことは一度もない。」というような、相手に対する日頃の態度を述べた表現や、相手に対する一つ一つの発言や態度の表現。
これらの表現を捉え、主人公の人物像や登場人物同士の関係性を掴みましょう。
2.場面設定を確認・整理する
場所や時間を表す表現が出てきたら、必ずそれをチェックしましょう。
例えば、「昨日の授業はどうだった? おもしろかった?」と質問して、「今日は祝日だから休みだよ」と返されたら困りますね。
小説の問題でも同じようなことが起こるのです。
設問の中で問われている出来事や心情が「いつ」、「どこで」描かれたのかを整理し、設問と同じ時間・場所、時系列で答える必要があるのです。
小説はよく時系列(=時間の変化)が前後します。
例えば何かの事件があったとします。
①事件当日、②事件前日、③五年前、④事件翌日、⑤事件当日といった風に、時間がバラバラで描写されることが多いのです。
③五年前について問われる設問で、⑤事件当日の選択肢を選んでしまった場合、不正解になりますね。
また、③五年前と②事件前日とで心情も異なるはずですし、登場人物の心情の変化を掴むヒントが書かれているはずです。
このように、心情がどのように変化したのかを知る上で、時系列(=時間の変化)を掴む必要があるのです。
場所や時間を表す表現が出てきたら、まずそれにチェックを入れましょう。
3.登場人物の心情を反映した表現に注目する
主人公や登場人物の人物像を掴み、場所や時間の変化と時系列を整理したら、登場人物の心情を反映した表現に注目しましょう。
「嬉しかった」、「悲しかった」、「腹立たしかった」などのように心情を表す言葉や形容詞、「~と思った」や「~と考えた」という言葉
「スキップした」、「グラスを落とした」、「舌打ちした」などのような動作表現
登場人物のセリフや、情景描写(天気や景色、登場人物の動きなど)
登場人物の心情は、前後の言動や出来事を時系列に沿って読み解くことが重要になるのです。
その心情に至るまで登場人物がどのような言動をしていたかを整理することによって、登場人物の心情を掴むことが可能になるのです。
まとめ
入試における小説問題を解く上でのポイントは3つ!
1.主人公・その他の登場人物の人物像や関係性を捉える
人となりを表す表現を意識しよう!
2.場面設定を確認・整理する
場所や時間を表す表現を意識しよう!
3.登場人物の心情を反映した表現に注目する
セリフだけでなく動作表現や情景描写などにも意識しよう!