塾長の笑って天才ブログ

「発達障害が増えている」?

「発達障害の子が増えている」

最近、こういった話を聞くことが増えました。

診断基準が変わったことで発達障害とされる子の人数が増えたり、「発達障害」という言葉が広がったことで受診者数が増えたり。
逆に、少しでも困ったことがあると周囲の人から「発達障害なのでは?」と決めつけるような言動が増えたり…。
そういった影響で、発達障害の子が増えていると感じる機会が増えた可能性は大いにあります。

 

ですが、学校や塾などの現場で実際に子ども達に触れている先生方は、
「中学生なのに、やたら幼い。精神年齢が小学生くらいのように感じる」
「表情に乏しい、感情表現が少ない。相手の感情を理解できていない子が増えた」
「語彙が少なく、会話が成立しない。頷くか首を横に振ることしかしない子が増えた」
「これまでの子達に比べると、基本的な部分の理解度が著しく低いように感じる」
こんな違和感を抱いているのではないでしょうか。

「発達障害という言葉が広がったから増えているように感じているだけなのかもしれない。
でも、どうにもおかしい。」

そんな違和感を抱いている人が増えているのだと思います。

生活環境の変化がもたらしたもの

発達障害は、生まれつき脳の一部の機能がうまく働かないことによって起こる障害とされています。
脳の一部が損傷して、発達に影響が出ている子達もいます。

ですが発達障害と疑われている子ども達の中には、生活環境が影響していることも少なくありません
特にここ数年間の生活環境は、子ども達の脳の発達に大きく影響していると考えられます。

 

2020年以降、コロナ対策のため生活環境が激変しましたね。
子ども達が外で遊んだり、友達ともみくちゃになって遊んだり、違う年齢の子達と遊んだり…。
そうといった、人間関係の交わりや遊ぶ機会が減りました。
学校ではもちろん、お家の中でもマスクをする方も増えました。

 

ずっと家にいる、友達と存分に遊べない・話せない環境にいると…

人と交わらなければ、相手の気持ちや感情はもちろん、自分の気持ちや感情も理解することはできません
「今、自分はどういう気持ちなのか、何を感じているのか」を言葉にしなければ、語彙や感情表現は増えません
集団で過ごしたり年齢の異なる子達と交わったりしなければ、集団での振る舞いや社会性は身につきません
マスクをしていては、感情の読み取りが難しくなります。大人でもそうなのですから、子ども達は尚更です。

ずっと家の中にいるだけでは、子ども達が受ける刺激は限られます
料理をしたり自分でゲームを作ってみたり、時計を分解してもう一度組み立ててみたり…といった創造的なことや工夫をせず、ボーッとスマホやタブレットで動画を観てばかりいれば、思考力は養われません
数や量、距離などのさまざまな感覚を身につけることもできません。
感覚が身についていなければ、学校の勉強を理解するのも難しくなります。

 

「中学生なのに、やたら幼い。精神年齢が小学生くらいのように感じる」
「表情に乏しい、感情表現が少ない。相手の感情を理解できていない子が増えた」
「語彙が少なく、会話が成立しない。頷くか首を横に振ることしかしない子が増えた」
「これまでの子達に比べると、基本的な部分の理解度が著しく低いように感じる」

これらの違和感に通じるものがたくさんありますね。

感染症対策のために変化した生活環境が、発達の機会を子ども達から奪ってしまった。

「発達障害の子が増えている」という直感を生んだ原因の一つが、ここ数年の生活環境の変化だと私は考えています。

子どもに大切なものは生活遊びの中にある

生活環境による発達の遅れは、お母さん、お父さんの手で取り戻すことができます。

学びの土台を作ってやればよいのです(参考記事:親が一番の先生)。

  1. たくさん読み聞かせをしたり、声掛けをしたりする
  2. 九九を使って物を数えたり、お金の計算をしたりする
  3. 料理や洗濯、掃除、買い物などの手伝いをさせる
  4. 物差しやハサミ、トンカチやネジなどを使って何かを作ってみる
  5. 散歩をしたり公園で遊んだり、海や山に出かけたりする

 

読み聞かせは一万冊を目標にしてください。
「一万冊読めばOK」「一万冊読めてないからダメだ…」というわけではありません。
そのくらいたくさんの本を読み聞かせることが大切です。

買い物中に、突然暗算クイズを出してみてください。
家事の合間に時間・時刻のことを聞いてみてください。
日常的に数字に触れることが大切です。

外に出て歩いたり、高い所から景色を見たり、公園でいろんな生き物を見つけてみたり。
その度にいろんな声掛けをしてください。
自然の中でいろいろなものを見たり聞いたり、触れたり、言葉にしたりすることが大切です。

 

子ども達に必要なのは、無理やり勉強させることではありません。
生活や遊びなのです。

 

発達障害かどうかの診断は、専門家でも難しいと言われるほど。
インターネット上に載っているチェックリストだけで判断できるものではありません。

なにより、成長スピードは一人ひとり異なります
どうしても不安な場合は専門家に相談する手もありますが、過度に心配しすぎないことが大切です。

 

広学が集団個別指導を貫く理由

広学は塾を開いて以降、集団個別指導を貫いています。
なぜなら、脳の発達や子ども達の成長において、いろんな世代の人達と関わることがとても大切だからです。

広学は集団個別指導なので、小学生から高校生まで、さまざまな年齢の子達が同じ教室で勉強しています。
年齢に関係なく仲良くしていますし、遊ぶときには全力で勝負したり教え合ったりしています。

中には受験生もいますが、「受験生が勉強中だから静かにしようね」と言えば、小学生も静かに勉強します。
小学生が遊びのルールや、プリント・ワークの内容を理解できていなければ、中学生や高校生が説明しようとします。

どうすれば勝負に勝てるのか、どうやったら答えにたどり着けるのかと、
年齢の異なる子達が集まり「あれは違う、これも違う」と話し合い、自分達で考えることに意味があるのです。

だから広学は、一人ひとりに合わせた教材を使いながら、さまざまな年齢の子達が同じ教室で学ぶ集団個別指導にこだわっているのです。

 

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